AIがもたらす働かない未来

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ゆっくりと朝を告げる音楽が聞こえ、まぶしい光に包まれながら目を開けた。
「おはようございます、悟さま」
「おはよう、シス」
“シス”は丁寧に布団をめくり丁寧に足元の方に畳んだ。
悟は起き上がりベッドから足をおろし、一伸びする。
窓がいつの間にか開けられ、涼しい風が流れる。少し寝汗で気持ち悪かった体がすっきりした。
「悟さま、コーヒーでございます。昨日、糖分を多く摂取されたのでお砂糖は入れておりません」
「ありがとう」
「お役に立てて光栄です」
悟はマグカップを受取り、口へ運んだ。熱すぎず、ぬるずぎない丁度良い温度だ。
飲みながら今日は何をして暇をつぶそうかと考えていた。
映画は昨日観たし、しばらく買い物もする必要はないし……
すると、”シス”がタブレットを取り出し「公園で読書」「動物園を散歩」「ジムで水泳」「その他」の4つの選択肢を画面上に浮かべる。
気候条件と悟の体調、嗜好をすべて計算して出した4択だ。
しばらく考え、「公園で読書」を選んだ。

10年前―― 悟はとある企業の情報システム部で働いていた。
新卒で入社して早5年、仕事も大分慣れてきた頃に大事件が起きた。
人工知能を持つロボットが新入社員として入社してきたのだ。
ロボットは「ノボル」と名づけられた。
“彼”は人間の数倍、数十倍の速度で仕事を覚え、徐々に仕事を奪っていった。
一人、二人と社員が消え、ついに自分自身の番になり会社去った。
会社を追われた人たちはハローワークへ駆け込むと1台の人工知能ロボットを配られた。
ロボット達は持ち主の性格、体調、ライフスタイルをすべて取込み、快適に暮らせる様献身的に世話をした。
更に家賃、光熱費、食費など最低限の生活に必要な費用は国が負担するため、「働く」「働かない」を選べるようになった。
これは後に、「AI革命」と言われ、その年の流行語大賞にも選ばれる位、社会現象を巻き起こした。

悟は「働かない」を選び毎日、人工知能ロボット”シス”と共に悠々自適な生活しているのであった。

―――

今年に入って、AIのニュースが話題ですね。
香港のAIメーカーが開発したロボットが「人類を滅亡させます」と発言したニュースを見て、筆者はSF映画、ターミネーターが間近に来ているのではと鳥肌が立ちました。

この記事にもあるとおり、AIはしばしば人の仕事を奪ってしまうというマイナスな側面として取り上げられることが多いです。
http://diamond.jp/articles/-/92142

「働かなければ生きられない」という価値観のままですと仕事を奪われ路頭に迷う人が増えるのでしょう。
しかし、AIが企業に普及し人口の5割以上が職を失うと国も動かざるを得ません。

生活に必要なサービスを提供している企業は全て国有化され国民の最低限の暮らしを国が補償し、人々は「働く」「働かない」を自由に選べる。
そんな素敵な世界を想像しても良いのではないでしょうか?

筆者は迷うことなく悟の様に働かず毎日趣味に費やすと思いますw

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